DART-MSによる直接分析、リアルタイム分析

DARTイオン源(Direct Analysis in Real Time イオン源)に、精密質量を測定できる飛行時間型質量分析計(TOF-MS)を接続したDART-MSシステムの特徴や分析事例を紹介します。

DART-MSの特徴

直接分析

・ 抽出などの前処理は不要、固体サンプルはそのまま測定
・ 液体・粉体はガラス棒に付けるだけで測定可能

迅速分析

・ 測定時間は1分から10分程度
・ 対象成分が決まっていれば、スクリーニング分析として適用可能

リアルタイム分析

・ タイムラグなしで、時間経過に対する変化を追跡

未知成分の同定

・ 精密質量の測定結果から成分の組成式を解析

多種のサンプルに対応した測定

・ 昇温加熱装置を用いた熱脱着・熱分解ガス測定
・ 揮発成分導入装置を用いたプロセス中に発生するガスの測定

DART-MSにおけるサンプルのイオン化の原理

DARTイオン源からMSの導入部へ、イオンを含んだガス(ヘリウムと大気)が流れます。このガスフロ-にサンプルをかざして分析します。サンプルのイオン化のイメージを図1に示します。
ポジティブモードでは、水分子クラスターにプロトンが付加したイオン([(H2O)n+H]+)やアンモニウムイオン(NH4+)により、サンプルの分子(質量M)から主に[M+H]+、[M+NH4]+の擬似分子イオンが生成します。
ネガティブモードでは、酸素分子のマイナスイオン(O2-・)により、サンプルの分子から主に[M-H]、M-・の擬似分子イオンや分子イオンが生成します。

DART-MSの応用例

固体のサンプルをガスフローにかざす。

プラスチック製品中の耐候剤の直接分析(PDF)→
グレープフルーツ果皮の防カビ剤の直接分析(PDF)→
・付着物、衣服のシミなどの異同識別

図2 携帯電話を直接分析

溶液・粉体をガラス棒に付けて、ガラス棒をガスフローにかざす。

・飲料や化粧品などに含まれる低分子量含有成分の分析
・HPLC分取フラクションの成分、NMR測定溶液中の成分の分析

図3 ガラス棒の先に顔料を付けて直接分析

昇温加熱装置(最高温度600℃)により、生成したガスを導入する。

・分子量1000以下の添加剤などの含有成分の分析
・熱分解成分の同定による高分子材料の分析
・異物と原因推定物の異同識別
・成形品の劣化品現物と劣化試験処理品の比較分析

揮発成分導入装置により、「切る・皮を剥く・つぶす・混ぜる」で生成するガスを導入する

・果物をつぶした時の香り立ち成分の時間経過追跡
・食品容器を開封した時のフレーバーリリースのリアルタイム分析

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